メルシー、アヌシー。 ・・・ 1
かつてのブログともだちが住んでいて知ったアヌシー。いいな、行きたいな・・・と思いつつ、理由もキッカケもないし、さして努力もしないまま、15年の月日が流れていきました。
つぎのヴァカンスはヴェニスに行くと決めていたわたしたち。しかし、コロナの波はなかなか止まず。あきらめかけていたころ、アントワヌくんにとうとう、3〜4日消化しなければならない休暇の話がとんできました。
せっかくだから、めんどうのない国内で小さな旅行をしよう。ということになり、かねてからのわたしの夢だったアヌシーを目的地とすることに、アントワヌくんも同意してくれました。アヌシーには「フランスのヴェニス」という異名もあるのです。
アヌシー行きのTGV(フランスの新幹線)が出発するのは、パリ・リヨン駅から。ここ、結構来るのに気づかなかったのが、とっても素敵な装飾。木の枠組みに模られたブティックが軒を連ね、壁画がつづいています。この壁画、きちんと見られなかった・・・だってアントワヌくんが、ぐいぐい手を引っぱって行っちゃうんだもの・・・。
このリヨン駅に早く着きすぎて、ごはんを買ったり迷子になったり飲みものを買ったり、ずっとうろうろ。なんせグランドゥリーニュ(遠くまでゆく線)の発着ホームがずらりとならんだ HALL がみっつもあるのです。
4時間弱の TGV の旅で、アヌシー駅に到着。
駅舎はモダンなガラス張りでちょっとガックリでしたが、すこし歩くとすぐに、たくさんのチャーミングな建物が出迎えてくれました。
おどろいたのが、ナチュラルな濃いめの茶色の木を使った扉や窓枠、雨戸などをほどこした建物がものすごく多いこと。メンテナンスはどれだけの手間なんだろうか、どれだけの費用がかかるんだろうか、と余計なお世話をしてしまいました。
この建物はちょっと特殊ですね。ブティックやレストラン、カフェなんかが本当にとても深い味わいのある、年月を経たがゆえのこっくりした輝きとツヤが出ていて魅力的なのです。
手洗い場か水飲み場か、こんな泉のようなものが街中のあちらこちらにあって、キンキンに冷たい水で肌をなでるとまるでつるつるになったようでした。気のせいか?
アイスクリーム屋さんが通り沿い数件おきにあって、毎日(日に数回)食べたのですが、そのときのベタベタを洗うのにも大活躍でした。
わたしたちの泊まったホテルはペリエール通り (Rue Prrière) という、パレ・ドゥ・リル (Le Palais de l’Îles) を囲むように伸びている道沿いにあります。とてもとてもとても、立地条件のよいところ。
まわりの屋根を見わたすと、子どものころ画用紙に描いていたような、ひらひらのスカラップが幾重にもつらなるかわいい瓦がずらり。本当にあったんだなぁ!と変なところにカンゲキしてしまいました。
さぁホテルでチェックイン、荷物を置いて、義父にもらったばかりの Leica M3 と麦わら帽子をもって、いざあこがれの地へ!
〈 つづく 〉