つぶやき

リラおじさん

Monsieur Lilas

いつもより、ちょっと寒い朝のお散歩(実は血液検査)の道すがら
リラ売りのおじさんに「マドモワゼル!」と声をかけられました。
ひさびさに聞いた「お嬢さん」のことばにほだされつつ
先を急いでいたので「ノン、メルスィー!」と通り過ぎたものの
おじさんが差し出していた可愛らしい小花たちのブーケが
お散歩中ずっと忘れられなくて、帰りも同じ道を通ってみます。
素朴な笑顔が商売っ気のなさそうなおじさん。
すごいボリュームのうす紫色の花束をたくさん抱えて
「ひと束3ユーロ、ふた束で5ユーロにしときますよ!」
でもお財布を見たら、2ユーロ玉がさみしくひとつだけ。
「ごめんなさい。今はお金がないから買えないわ。」
全財産である2ユーロ玉を見せると
「それでいいですよ!」と微笑みながら花束をひとつ売ってくれました。
うーん、とってもいい匂い。
2ユーロでもらったしあわせ。
どうもありがとう、ムッシュー。