
もうすぐ夏時間。
パリ上空には最近、やっとお日さまが長居してくれるようになりました。夜の8時近くになってもこんな感じ。

曇ってますけどね。
写真、青くしちゃったからどこが青空だか分からないし。雲間に見える、シアンの多い水色が空の色です。
今年フランスでは、あさって3月27日に夏時間に切り替わります。
今さらながら調べたところ、どうやら3月の最終日曜日、深夜2時に時計を3時に早送りするのだそう。体感的には、睡眠時間が1時間減ることになるわけです。
フランス人のアントワヌやそのママンも、毎年冬時間になる夜に「今夜は1時間得するゼ!」と喜び、夏時間になる夜に「あ〜〜〜 1時間損する!」と嘆きます。
そういえば過去に、Twitter で「今日から夏時間が始まった」的なことをつぶやいたら、とある日本人男性フォロワーの方から「みんな夏時間夏時間てうるさいけど、日本に住む僕には関係ない。」というようなリプライをいただいたことがあります。
わたしにとっては至ってシンプルなツィートだったので、どうしてわざわざそんなことばを返してくるのか分からなかったのですが、こればかりは、住んで暮らしてみないと実感できないことなのかもしれません。
フランスに住むひとびとにとって、この明るい陽(ヨウ)の季節を迎えることが、どれだけ喜ばしいことなのか、どれだけ生命に大切なエネルギーをもたらしてくれるのか、ということをお話しすれば、毎年3月の終わりに「夏時間!夏時間!」と騒ぎたくなるわたしたちの気もちもちょっとは理解してもらえるかしら。
ここフランスの冬は、陽の当たる時間はとても短く、なんと朝9時になってもうす暗く「夜」にあたる時間が長くつづくのです。
これでは、朝はりきって早起きしても、モチベーションまったく上がらないどころか、逆にやる気を殺がれてしまいます。
そして、冬そのものが長い。
毎日ひどくお天気が悪い。
グレイの空にグレイの建物、ダークな色の服を来た街ゆくひとびと。
わたしなんて、冬と聞いただけでも気が滅入るほどです。この時期、パリで鬱病とかうつ状態になる人も多いのではないかしら?
だから、まぶしい夏の到来が本気で待ち遠しい。夏はなんといっても、朝起きたときからお日さまの光を浴びられるし、(といっても日本の日の出にはかないませんが)いちばん日が長い時期なんて、夜は22時過ぎ(体感的には23時)ごろまで空が明るいのです!!!
冬でもテラスでカフェするパリジャン・パリジェンヌですが、暖かくなると、テラスを囲っていた覆いも取れ、ストーブもなくなり、また、冬の間屋外を閉めていたカフェでも、外にまでテーブルや椅子があふれ出し、より一層オープンになります。
明るいトーンの服を着て、みんな冬よりも断然背筋が伸びている感じ。冬のあいだは眠っていたブロカントなどがまた始まるのもこの時期です。(ってこれはわたしの勝手な趣味ですが♪)
調べた結果、フランスで夏至の時期の日照時間は5時半から22時ごろ、冬至の時期の日照時間は8時半から16時半ごろとされています。夏至と冬至では日照時間の差は8時間半。
ちなみに日本では、2015年の夏至の日照時間が4時半から19時ごろ、冬至の日の出が7時ちょっと前から16時半だったそうなので、夏至と冬至では日照時間の差は5時間弱になります。
この差を見れば、フランスの夏場と冬場での生活がどれだけ変わってくるか、ご想像いただけるかと思います。
というわけでフランスでは、冬時間と夏時間の調整がないと本当に大変なんですよ。夏は午前0時ごろまで真っ暗にならないだろうし、夏場と冬場のバランスがもっとずっと取りにくくなる。
むしろ日本の時間の流れに慣れているわたしは、フランスの夏時間、もう1時間早くてもいいくらいなのですが、それだけ夏と冬に差ができてしまうと生活サイクルが狂って、かえって辛くなるのかな。
睡眠時間がちょびっと減るのは残念だけれど、短い夏の訪れにとってもわくわくしている ChibiRu なのでした♪♪♪

