NY 旅行記 n°16 – September 11 on the Staten Island Ferry

前日グレッグやアナスタジアとはぐれて、
スタテンアイランド・フェリーを乗り損なったわたしたちは
朝から計画して、わたしのお当番が終わったあと一緒に乗りにいくことに。
グレッグたち3人とはフェリー乗り場で待ち合わせしました。
そしてこの日、ギャラリーに来たナミちゃん、ムーちゃんとジェフ、
3人ともフェリーに乗ってみたいというので一緒に合流することにしました。
ただ、ジェフがいうには
「今日は9月11日でセレモニーをやっているからすごく混んでいると思うよ。
　乗れるかどうか分からない。」
とのこと。
そうか、今日は9月11日・・・。
でもイチかバチか、行ってみることにしました。
若い頃 NY で働いていたアントワヌくんの伯母さま、マリー＝クレールに
とてもいいから絶対乗っておくように、と勧められたスタテンアイランド・フェリー。
このフェリーは、マンハッタンの下の方、南にあるスタテン・アイランドと
マンハッタン島の南端を結ぶフェリーで、もともとはスタテン島に住んでいる人たちの
通勤通学などのために運航しているということで、無料で乗れちゃうのです。
15〜30分おきに1本出ていて、1時間弱で往復できちゃいます。
自由の女神の前も通るので（ちょっぴり遠いけど）いろいろ見られてお得な気分です。
さて、人はたくさんいましたが、どうやら乗れそう。
隣で列を作っていた（というよりはぐちゃぐちゃに我先にと待っていた）人々の中で
フェミニストと思われるひとりの女性が上半身裸になり（しかもすぐ横にはポリス）、
周りの男性諸君が写真を撮りまくるという場面に出会ったり、
何もいわずトイレに行ってしまったアナベラと彼女を探しに行ったグレッグが
フェリーに乗りそびれたかもしれない、と船中捜索するなんてハプニングもありましたが
無事全員出港、さっそくテラスに出て夜の摩天楼を堪能。

何度もいいますが、この日は9月11日。
高く高くどこまでも伸びる青い2本の光は、いつもあるわけではなく
1週間前からこの日のために用意されていたものだそう。
今はなきワールド・トレード・センターのツインタワーを表しているようです。
たぶん 9/11 Memorial のふたつのプールから放たれていたのでしょう。
行きの船では綺麗だなぁ・・・と写真を撮りまくっていたのですが、
帰路では感動もおさまり、じっと眺めているうちになんともいえない気もちになりました。
人生のうちで来ることがあるとは全く思いも及ばなかったニューヨーク。
あの日、わたしは深夜にたまたまつけたテレビでその瞬間を目の当たりにしていました。
パリからも日本からも遠く離れたこの地にこの日、この足で立っていること、
昨日フェリーに乗りはぐれ、今日のこの日、この目であのふたつの光を見られたことには
きっと何か意味のあることなんだろう、偶然ではないなにかがわたしを引き寄せたんだろう、
なんてしみじみ考えてしまったのでした。