日記帳
イラストレーション,  つぶやき

Rééducation avec le Stylo ・・・ ペンでリハビリ。

みなさま、こんにちは。
オープンしてからも、ちびちびとこつこつと、ブログ記事の修復作業をしている ChibiRu です。

今朝は、リニューアルに至った経緯と、今回アクセントに使ったイラストについてのあれこれを少々。

実は昨年初めに体調を崩し、ずっと療養しておりました。そのあいだにブログシステムから「アップデートして!でないとぶっ壊れるよ!大変なことになるよ!」という警告を再三にわたって受け取っていたのですが、しんどくて、もうそれどころじゃなかったんです。

で、放置したわたしは案の定ひどい目に遭い・・・システムもデータベースも壊れてほとんどのデータを失い、テキストはかろうじて救出できたものの、半年ほど費やして構築したはずのサイトをまたいちから作り直すハメになったのでした。まぁ・・・自業自得です。

身体の調子ももどったし、気分を一新してシステムも入れ替えて、ぜーんぶイメチェンしよう。それなら、前からサイトをイラストで飾りたいと思ってたし、これからは描くことに本格的に取り組みたいと思っていたし、なら今かも!と突然決めた、今回のリニューアルです。

といっても、1年以上もパソコンとろくに向き合わず、鉛筆もペンももたなかったわたしにとって、あちこちにイラストをあしらったサイトを作ることはまさにリハビリでした。

お医者さんごっこ

上は25年前、その頃原宿のキャットストリートに存在していた Calico というお店のオリジナルカードとして描き下ろした「お医者さんごっこ」というポストカード。そのちょっと懐かしい、ペラペラの油紙に印刷されたような雰囲気でサイトを彩りたいと思ったのです。

最初は、当時プリントゴッコで刷ったものをスキャンし、フォトショして使っていたのですが、派生形の場面を描くときに、どうしてもちがうタッチになってしまう。

なので結局、ほかのすべてを昔の画風に合わせるのではなく、その25年前の絵のほうを今のタッチに描き直して使うことにしました。セルフカバーって言えるの?

あしあと

だって、繊細さをうまく再現できないし(当時はもっと全然太いペンを使っていたのに!)引く線も25年の歳月をかけて変わってきたものなので、ふたつがまるで同じ描き手のものに見えなかったのです。

左上の女の子は、これだと決まるまでに6〜7回描き直しています。膝下の長さだったり、靴のあるなしだったり、座っていたり立っていたり、襟のカタチだったり、たり、たり。見る人からすればきっと気づかない、とてもささいなことなのは分かってるんです。(そしてこの写真の5人の中にさえ、実際に使われた子はいません。まちがい探しみたいね。)

わたしは要領が悪く妥協を知らず、人にいわせればイシアタマな完璧主義らしいので、1枚描くのにも下絵からヴァリエーションのちがう本描きまでいれたら結構な量を描くことになります。最初はペンをコントロールするのがむずかしく、苛立って丸めた紙をくずかごに思いっきりシュートしたりもしました。

でも過程はどうあれ、描く練習という意味でも何か生産的なことをするという意味でももってこいのリハビリになったし、絵を描く楽しさをまた感じることができてホッとしました。大げさでなく、もう2度と、創作はしないだろうと思ってたから。

10日ほど試行錯誤して6枚の小さなイラストができたわけですが、終盤では神経質さがなくなって、ぎゅぎゅぎゅぎゅっとではなく、サカサカッと線を出せるようになっていました。迷いがなくなったというか。鉛筆の先が次にどこへ到達するのかが、あまり重要でなくなったというか。いやホントに、鉛筆が勝手に動くんです。コ○クリさんですか?!

いろいろなこだわりや自分に対する縛りを手放しはじめたからかもしれませんね・・・リハビリで、デッサン筋がほぐれたんだな、きっと。